文法学習の流れに沿って、英作文の学習法を示します。今回は、準備と主語に着目して英訳します。問題文だけ目を通して英訳した後、解説を読み推敲すると効率よく学習できます。
新高1生から、センター試験の英語は(書く・話すを追加した)英語4技能をはかる試験に移行することになっています。GTECでは現在4技能試験が実施されていて、現高3生も以前から既に学校で受けています。旧英検は2級までは英作文がなく3技能検定でしたが、2016~2017年度に改訂した新英検では"英作文"が追加もしくは強化されました。国公立大学の入試では以前から英作文が出題されていて新英検2級(4技能)の合格者も多いので国公立大受験者への負担はあまり変化しませんが、私立大学の入試ではこれまで英作文はほとんど出題されていないので、私大のみの受験者は負担が少し増えることになります。とはいっても元々、センター試験利用の私大受験の負担は国公立大の半分程度に過ぎないので、テレビやネットで騒がれているほどの負担増にはなりません。私大受験が国公立大受験の負担に少し近づいたという程度です。さらに、中高一貫校では高卒生でも、中一のころから英語のみ学習を実施しているところも多く、そういった生徒たちにはまったく影響がなく、むしろ、有利になっているほどです。たとえば、九州最難関のラサールでは50年以上前から(入試の範囲を逸脱した)4技能を鍛えていて、その教養のおかげか、卒業生たちは世界のさまざまな分野で活躍しています。
1.準備
問題
(1) 日本文に合うように、各語を並べ替えよ。
僕が球場に着いた時には、試合はもう終わっていた。
(I / had / at / the / arrived / started / game / stadium / when / already / the )
(2) 次の日本文を英訳せよ。
私はその辞書がほしいが、それを買う金がない。
<< 解説&解答例 >>
1.
副詞節+主節の例
When I arrived at the stadium, the game had already started.
主節+副詞節の例
The game had already started when I arrived at the stadium.
2.
等位接続詞による解答例
I want to get the dictionary, but I have no money to buy it.
従属接続詞による解答例
Though I want to get the dictionary, I have no money to buy it.
2. 主語
問題
次の日本文を英訳せよ。
(1) 親によって子供の育て方は異なる。
(2) 今や、2,3日で世界を一周することができる。
(3) 「金曜日の夜、僕と外で食事をしないかい?」「いいわね。何時にする?」
(4) 香港(Hong Kong)の夏は蒸し暑い。
(5)
2日以内にその仕事を仕上げることは私には不可能だった。
<< 解説&解答例 >>
(1)
子育ての方法は/異なる/親によって
The way of bringing up children is different from one parent to another.
親たちは/異なる/子育てにおいて
Parents differ in their ways of raising children.
(2)
「今や」は、today, now, these days
「地球一周する」は、travel around the world。travel は go でもOK。
私たちは/今や/旅行できる/世界中を/数日で
We are now able to travel around the world for a few days.
今や/私たちは/旅行できる/世界中を/数日で
Today one can go around the world for a few days.
(3)
「外で食事をする」は、go out to dinner、go to a restaurant。
「いいわね」は、Sure.やThat sounds great.やGreat. など
「何時にする」は、「待ち合わせる」の会話表現 make it でもよい。
出かけませんか/夕食に/私と/金曜日の夜に。いいね。何時に/私たちは/会いますか。
“Would you like to go out to dinner with me Friday night?” “That sounds great. What time shall we meet?”
どうですか/レストランに行くのは/私と/金曜日の夜に。いいね。いつ/私たちは/待ち合わせましょうか。
“How about going to a restaurant with me Friday night?” “Sure. When shall we make it?”
(4)
時間、距離、天候、明暗、季節などのとき、主語は非人称の it を用いる。
「香港の夏」を主語とすることもできる。
香港では/蒸し暑い/夏は。
In Hong Kong it is hot and humid in summer.
夏は/香港の/蒸し暑い。
Summer in Hong Kong is hot and humid.
(5)
主語には、形式主語の it を使うのが一般的で、I(私は)も使える。
「仕上げる」は、finish, get through, complete。
不可能だった/私が終えることは/その仕事を/2日以内に。
It was impossible for me to finish the work within two days.
私は/やり遂げられなかった/その仕事を/2日以内に。
I couldn’t get through the work within two days.
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