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県下最難関中2の理科1

神奈川県最難関中学は、今週5日間に亘り5教科(英・数・国・理・社)の定期試験を実施している最中です。ここでは、中学2年の理科1(化学)の問題を1つだけ紹介します。


【問題】

塩酸2.0 [mol/L] を1L調整したい。質量パーセント濃度が36.5%で 密度が1.18[g/cm3]の塩酸は何mLを要するか。有効数字2桁で答えよ。

 

※ 実際の問題は、(この問題の前に)モル濃度2.0 [mol/L]を求める問題などあり少し複雑ですが、簡単のため、ポイントだけ抜粋しました。


【解答例】

求める体積を a [mL]とする。

塩素,水素の原子量はそれぞれ35.5, 1.0より、塩化水素の分子量は36.5であるから、必要な塩化水素は 36.5×2.0 [g]

a mL 中に含まれる塩化水素は a1.1836.5/100 [g] であるから、塩化水素の質量に着目すると、

36.5✕2.0 = a1.1836.5/100

これを解いて、a = 1.7✕102[mL]

 

答え 1.7✕102[mL]


これは神奈川県最難関の中2生たちがいとも簡単に解いてしまう基本問題です。彼らにはとても簡単な問題ですが、翠嵐や湘南に合格したばかりの君やあなたは解けますか。ほとんどが、問題文の意味さえわからないはずです。今年度の神奈川県公立高校入試の数学は受験生には難しかったそうですが、(公立中学3年間の範囲は中1で終わり、中2生は高校課程に入っていて、学力の高い)この学校の生徒なら中1でも普通に解け、中2生なら苦も無く解きます。東大合格率だけでも5倍以上の差がついてしまうのは、自明の理だと理解できますか。難関大合格を目指すなら、ほっと一息ついている暇はありません。この遅れを取り戻すべく、たった今から猛勉強すべきです。そうすれば、必ず追いつけます。素質は県下最難関の学生たちに劣らないはずですから。かつての私がそうであったように。また、素質では劣っていても努力では誰にも負けず今年度、慶應大(文)に合格した高3女子学生のように。

 

この生徒は、中学受験では四谷大塚にいて、私の教え子のひとりでしたが、偏差値40程度で(学力が低かったので)志望校に落ち公立中学に進みました。高校受験でも公立高校に落ち、中堅の私立高に入りましたが、驚異的な努力により、(合格が簡単なAOや推薦ではなく、厳しい)一般入試で慶應大学の文学部に現役で合格しました。数日前のことです。高校では毎日13時間、猛勉強を続けました。お母さんが「体を壊すから、勉強はほどほどにしなさい」と心配しても、本人は「中学受験でも高校受験でも悔しい思いをした。大学受験では絶対成功する」と言って、努力し続けて遂に合格を勝ち取りました。体調の方も、喜びでいっぱいで、ぴんぴんしています。

 

この生徒の努力は並外れていて、誰にでもできることではありませんが、青春を受験に捧げることもひとつの生き方です。(簡単な問題を大量に繰り返し解く)指導も簡単な公立高校受験のテクニックと(基礎を素早く覚え、消化不良なく短期間に難度を上げていく)指導にも高い技量が求められる大学受験のテクニックとは大きく異なりますので、中学の勉強法は高校では通用しません。それでも、(県央・県西など)その地域のトップ高を受験したのなら、合格/不合格の如何に関わらず、高校の3年間だけでも難関大に挑戦してみてはいかがでしょう。みなさんは若いのだから、それ以外の遅れは大学に入った後に、なんとでもなるでしょう。